治療と仕事の両立支援ガイド(管理者①)/弘前市(青森県)

こんにちは。
青森県弘前市の社会保険労務士、香取です。

本日は、治療と仕事の両立支援ガイドについて説明します。

◎両立支援はなぜ必要?

①働く世代で病気の人は多い

・病気を理由に1か月以上休業している労働者がいる企業の割合は、がんが21%、脳血管疾患が12%です。
・仕事を持ちながらがんの治療で通院している人は、32.5万人
・一般健康診断の有所見率は53.8%で病気のリスクを抱える労働者は増加傾向です。

②不治の病から長く付き合う病気に

・日本人の2人に1人が生涯に1度はがんになるといわれています。治療技術の進歩により、かつては、「不治の病」といわれた病気も生存率が向上し、「長く付き合う病気」に変化しています。

③病気になった人も仕事を続けたい

・病気になっても働き続けたいとする人は、92.5%もいます。生計を維持するためや、治療費のためはもちろんですが、自分の仕事に期待してくれる人々がいることは、病気と闘う励みになり、生きがいにもなります。

◎両立支援は、事業者、働く人ともにメリット

・このような状況において、治療をしながら働き続けられる職場環境を整備することは、働く人ばかりでなく、事業者(会社)にも意義があります。

◇事業者(会社)のメリット

●労働者の健康が配慮される職場づくり
●継続的な人材の確保、人材の定着
●健康経営の実現
●労働環境の良さは顧客や投資家からも評価
●多様な人材の活用

◇働く人のメリット

●治療に関する配慮が受けられ、病気の悪化が防げる
●治療を受けながら仕事が続けられる
●継続して収入が得られる
●仕事による社会貢献や自己実現
●安心感、モチベーションの向上
●ワーク・ライフ・バランスの実現

◎両立支援の進め方

・職場における両立支援は、人事労務担当者と産業医、保健師などの産業保健スタッフが連携して、次のように進められます。

● ①労働者が事業者へ申出 → ②事業者が就業の可否を判断 → ③休んで治療 → ④休業開始 → ⑤休業期間中のフォロー → ⑥職場復帰 → ⑦事業者が両立支援プランを作成 → ⑧両立支援プランに基づく実施・フォロー(計画の見直し)

● ①労働者が事業者へ申出 → ②事業者が就業の可否を判断 → ③働きながら治療 → ④事業者が両立支援プランを作成 → ⑤両立支援プランに基づく実施・フォロー(計画の見直し)

◇労働者が事業者へ申出

・私傷病であることから、支援を求める本人からの申出によりスタートします。主治医から収集した両立支援に必要な情報を、本人から事業者に提出します。

※上司(あなたの役割は・・・)

●部下が支援を申出しやすいようサポート!

・日頃から、部下とは良好なコミュニケーションをとり、通院のための休暇や休職などの社内制度や事務手続きなどもよく理解しておきましょう。
・部下から申出があった場合には、相談窓口の人事労務担当者や産業保健スタッフ等につなぎます。

◇事業者が就業の可否を判断

・本人から提出された情報をもとに、産業医等の意見を聴きます。関係者で面談を行ったり、本人の同意を得て、事業者が主治医から情報収集や確認を行うこともあります

◇休業中のフォロー

※上司(あなたの役割は・・・)

●休業中の連絡は?

・予め決められた方法で月に1回程度、連絡を取り合い、治療の経過、状況、今後の見込みについて確認します。
・窓口は、部下の負担を考え一本化します。人事労務担当者が行ったり、上司が担うケースもあります。治療や回復に専念できるよう配慮し、職場復帰に向けた準備を手助けします。

◇事業者が両立支援プランを作成

・人事労務担当者、産業医等の産業保健スタッフ、主治医と連携して作成します。具体的な就業上の措置、治療に対する配慮の内容とスケジュールを定めた計画を立てます。

※上司(あなたの役割は・・・)

●両立支援プランとは?

・職場で対応する内容(例)として
・短時間勤務、通院時間の確保、休憩時間・場所の確保
・作業転換や重量作業・暑熱作業・車の運転の禁止等 があり、実施するものをプランにして記載します。
・受け入れ側として、人事労務担当者に職場の意見を伝えましょう。
・対応に必要な範囲内で職場に情報を開示します。

◇両立支援プランに基づく実施・フォロー(計画の見直し)

※上司(あなたの役割・・・)

●復職後はどうサポート?

・両立支援プランにしたがって、就業上の配慮をしながら就労がスタートします。気を使いすぎることなくルールにしたがって対応しましょう。
・治療の経過が悪く、病状が悪化する場合もあります。本人からの訴えや体調等について気になる点があれば、すみやかに人事労務担当者や産業保健スタッフ等に連絡します。

●職場の理解を得られるよう調整を!

・支援を行うと、周囲の同僚にも一時的に負荷がかかります。必要な範囲内で情報を開示し、理解を得られるようにしましょう。

〇支援は、上司のあなた自身にも負荷がかかります。無理をして抱え込まず、人事労務担当者や産業保健スタッフに相談しましょう。

◇香取社労士から一言

●「就労支援をどのように始めたらいいですか」とか「日常的な相談でわからないことがあったら社労士に相談したい」というご要望を頂くことがあります。
●香取社労士事務所では、医療従事者様・企業担当者様・自治体の担当者様へのサポートができます。
●患者さんやご家族向けの就労個別相談
●医療従事者の方々のバックアップ
●就労支援に関する情報提供 など
●どうやったら辞めずに働き続けられるか?周囲の理解を得るための「伝え方」や、「就業規則・障害年金やその他の社会保障」などについてご紹介します。
●仕事を辞める前に、どうかご相談下さい。(両立支援コーディネーター基礎研修を修了しておりますので)安心してどうぞ!

本日はここまでとします。次回、治療と仕事の両立支援ガイド(管理者②)に続きます。
またのご訪問お待ちしております。

2019/4/9

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