労働紛争の解決手段~労働審判に関する法律相談

こんにちは。
青森県弘前市の社会保険労務士、香取です。
本日は、労働審判に関する法律相談~労働紛争の解決手段について説明します。
◎質問
・労働紛争の解決手段としては、どのような手続がありますか。
◎回答・解説
・労働紛争を解決する機関としては、厚生労働省の地方出先機関である都道府県労働局、労働委員会、裁判所などがあり、それぞれにおいて紛争解決手続が実施されています。各手続の特色や違いを理解し、適切な手続を選択することが必要です。
◇都道府県労働局
・都道府県労働局には、①総合労働相談コーナーにおける情報提供・相談、②都道府県労働局長による助言・指導、③紛争調整委員会によるあっせん、の制度があります。
・使用者ないし労働者が助言・指導の申出をし、労働局長がそれを受けて助言・指導を実施します。それにより解決しない場合には紛争調整委員会による「あっせん」に移行することができます。対象となる紛争は、労働条件に関する紛争等、労働者と使用者との個別紛争を広く含みます。
◇労働委員会
・労働委員会は、労働組合の関わる集団的労働紛争を取り扱う行政機関です。各都道府県に設置された都道府県労働委員会と、国に設置された中央労働委員会とがあります。
・対象とする事件は、労働組合の関わる集団紛争のみであり、労働組合法の規定する不当労働行為の救済手続と、労働関係調整法の定める労働紛争の調整手続(あっせん、調停及び仲裁)が中心です。
◇裁判所
●労働審判
・労働審判は、裁判所が行う、企業と個々の労働者間の個別労働紛争の解決手続であり、裁判所と労使の審判員の専門的な知識経験を活かしつつ、紛争の迅速で集中的な解決を図る手続です。当事者の互譲により調停を成立させることを目指し、成立しない場合には審判が下されます。当事者は審判に不服があれば異議を申し立て、その場合には訴訟手続に自動的に移行します。
●仮処分
・通常訴訟による権利実現を保全するために行われる暫定的・付随的な訴訟手続であり、労働条件の類型においては、解雇された労働者が従業員たる地位を仮に定める(地位保全仮処分)とともに、賃金の支払いを命ずる仮処分(賃金仮払仮処分)を申し立てるのが典型例です。もっとも、近年では、労働審判が迅速な解決手段としてより広く利用されています。
●民事訴訟
・裁判所に対して一般の民事訴訟の手続を利用することで権利実現を図る手続です。労働審判に対して当事者から異議があり、労働審判が失効して遡って訴えが提起されたとみなされ民事訴訟に移行する場合も含まれます。
・労働審判を選択するか、仮処分手続や民事訴訟を選択するかは当事者の自由です。
◇相談のポイント
●労働紛争の解決機関には都道府県労働局、労働委員会、裁判所等がある。
●労働紛争の解決手段として、①都道府県労働局長の行う助言・指導及びあっせん、②労働委員会の行う救済命令等、③裁判所の行う労働審判、仮処分、民事訴訟等がある。
本日はここまでとします。次回に続きます。
またのご訪問お待ちしております。
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