年金に加入中/20歳前の初診日は?社会的治癒とは?

こんにちは。
青森県弘前市の社会保険労務士、香取です。

本日は、年金に加入中の初診日、20歳前の初診日、社会的治癒とは?について説明します。

◎国民年金に加入中の初診日

・次の期間に初診日がある場合は、障害基礎年金を受けることができます。ただし、保険料の納付状況が問われます。

①国民年金の加入中
②国民年金の資格を失った後、60歳以上65歳未満(日本に居住していること)

◎厚生年金に加入中の初診日

・厚生年金に加入中に初診日がある場合は、障害厚生年金を受けることができます。ただし、保険料の納付状況が問われます。

◎20歳前(先天性含む)の初診日

・生まれつきの病気や障害、または20歳になる前に初診日があるときは、障害基礎年金の対象になります。つまり1級、2級にあてはまれば受給できる、ということです。

※あれ?年金保険料を払うのは20歳からですよね?

・そうです。国民年金の加入は20歳からになるため、保険料の納付状況は問われません。その代わり、本人の所得制限があります。ただし、10代で就職し、20歳前の厚生年金に加入中に初診日がある場合は障害厚生年金の対象となります。

◎相当因果関係

・ある傷病(A)が原因で別の傷病(B)が引き起こされたとき「AとBには相当因果関係がある」といい、同じ傷病として扱います。障害年金の請求対象の傷病にかかる前に、その傷病を引き起こした別の傷病があるとき、初診日の確定には注意が必要です。その別の傷病の初診日が、請求対象の傷病の初診日となることがあるためです。

※ちょっとわかりづらいので、具体例を示します。

・たとえば、40歳で「糖尿病」と診断され、治療を受けたり受けなかったりしながら15年後、「糖尿病性腎症」となった場合を考えてみましょう。初診日は、「糖尿病性腎症」と診断された日ではなく、15年前の「糖尿病」の受診日となります。「糖尿病」と「糖尿病性腎症」が同じ傷病として扱われているためです。

◇ポイント

●病名が確定されなくても異常を感じて受診した日が初診日になる
●初診日が国民年金か厚生年金かで年金額が違い、厚生年金が有利
●A病とB病に相当因果関係があると、以前かかったA病の初診日が、請求するB病の初診日になる

◎「社会的治癒」の後に初診日が認められることがある

・医学的には完治ではないけれども、治療の必要がなく通常の社会生活を送ることができる状態を「社会的治癒」といいます。社会的治癒を経て再び悪化して治療を再開した場合は、再開した日を初診日として請求することができます。
・社会的治癒で初診日が認められるには、次の状態であることが必要です。

①症状が固定し、治療する必要がなくなったこと
②長期にわたり、自覚的にも他覚的にも病変や異常が認められないこと
③一定期間、普通の生活や就労をしていること

・原則的な考え方は、「薬事下(薬の治療が必要な状態)または療養所内にいるときは社会的治癒とは認められない」(厚生労働省)というものです。しかし、服薬を続けていてもその内容が維持的、経過観察的なものであれば、社会的治癒が認められることがあります。
・では、治療の必要がなくなってから、どのくらい空いていれば「社会的治癒」になるのでしょう?たとえば、精神疾患(うつ病、統合失調症など)の場合、再発までおおむね5年程度であれば、社会的治癒が認められることが多いようです。
・ちなみに、治療の必要がない期間であるかどうかは医師の診断によります。「お金がないから病院へ行かない」、など自己判断で治療をやめた期間のことではありません。なお、病気によっては10年程度の社会的治癒の期間が必要、とされることもあります。

◎知的・発達障害と他の精神疾患が併存→総合的に判断される

・前から発症している知的障害や発達障害と、後から発症した他の精神疾患とが同じ病気と考えられるかどうかは、発病の経緯や症状により総合的に判断されます。

◇香取社労士の思い

●初診日の証明が取れやすい場合は自力で請求しやすいケースだと考えます。

・反対に、

●集める証明書類が多い
●初診日の証明が難しい
●本人や家族が、様々な依頼を病院にすることができない

・等の場合は、

●お気軽にメールか電話にて、香取社労士事務所までご相談ください。
●将来が不安な方のサポートをしたいと考えています。

本日はここまでとします。次回に続きます。
またのご訪問お待ちしております。

2018/9/29

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