就業規則の運用~社労士のするアドバイスとは
こんにちは。
青森県弘前市の社会保険労務士、香取です。
本日は、就業規則の運用~社労士のするアドバイスとはについて説明します。
◎事前の対策~社労士のする就業規則の運用アドバイスとは
・もちろん適正な就業規則があるからといって、すべてのトラブルを自社内で解決できるわけではありません。
・たとえば、病気によって労務不能となった社員に、「いきなり解雇を通知」するような人事・労務管理は避けるべきなので、まずは、回復への期待を込めて休職を命ずるとします。その時に、その会社にとって休職とはどのような取り扱いなのか、賃金の支払いはどうするのか、復職するための基準はどのようなものなのかを「その場で何となく」決めていたのではトラブルへと発展します。
・就業規則に、休職についての取り扱いについて記載してあれば、会社が発する命令に「明確な根拠」が生まれるため、なぜ休職を命じられたのか、賃金が無給なのはなぜか、復職するための条件は何かなど、会社から社員に対して「明確な根拠」を示すことができます。
・実務上では、就業規則で定めている取り扱いを基本にした上で、ケースバイケースで運用することになりますので、「自社内で解決する」には、ケースごとに就業規則の運用についてアドバイスすることになります。
・私は、このような運用アドバイスが出来るのは、日々会社の¨人¨に関する手続き業務を行い¨人¨に関する相談に対応している社労士しかいないと考えます。
・ここでもう一つ例を挙げてみます。病気を患ったために通常の仕事が出来なくなってしまった社員が休職しているケースです。
・休職期間の満了が近づいている社員Cがいます。社員Cは、その会社に入社してから8カ月目に病気を患い休職に入っていたため、休職期間を3か月と定めた就業規則に従い、入社後11カ月目に復職できるかどうかの判断を迫られています。就業規則の定めにより、会社に復職できるだけの回復がなされているのかを判断するため、医師の診断書を求めたところ、休職前と同様の仕事をしていくことが難しいと診断されました。このケースでは、休職期間の満了により退職とすることが、就業規則の定めによって可能です。
・ところが、ここで退職となった場合、社員Cは入社後1年たっていないため、休職中に受けていた健康保険給付の「傷病手当金」を、退職後に受けることができなくなってしまいます(退職後に引き続き傷病手当金を受けるためには、資格喪失日の前日までに1年以上被保険者でなければならない)。休職期間の満了による退職だけでなく、生活の糧となる傷病手当金もなくなるとなると、トラブルになる可能性が高まります。それでも原則論にこだわり、すぐに退職させますか?
・このケースの場合、あと1か月あれば退職後も傷病手当金を受けることができるため、特例的な取り扱いになりますが、休職を1か月延ばすことで、社員Cに対して会社として配慮できる最大限のケアを行うことができます。また、社員Cに対して、そのような「会社として配慮を行った」ことを伝えることで、退職後のトラブルを予防することにもつながります。
◎社労士でなければできないコンサルテイング
・健康保険給付の傷病手当金のことまで考えた上で、対応を会社に提案できるのは、労働・社会保険諸法令の専門家である社労士だけです。これが、法律論だけではなく、感情論にも配慮した上で、事案ごとにケースバイケースでアドバイスを行う「社労士のコンサルテイング」なのです。
◇労働・社会保険諸法令の専門家である
●法律にのっとるだけでなく、¨人¨の感情に配慮した、きめ細かなアドバイスができる。
◇日々の手続き業務により、社内の¨人¨の動向をつかんでいる
●トラブルを予防する人事・労務管理が行える。
◇社労士のするアドバイス・労務管理(香取社労士の思い)
●我々社労士が、労働分野で社会的評価を受けるためにするべきことは、トラブルを未然に防ぐこと、小さいトラブルの火種を消すこと、つまり「トラブルを予防する人事・労務管理」をしていくことだと考えます。
●様々な経営者や人事責任者と話をする中で、「人事・労務関係のトラブルを表に出したくない」という話をよく耳にします。これは、取引先や同じ業界の他社にトラブルを知られたくないという思いが強いことの現れです。
●適正な就業規則の整備、そして、運用するに当たっては、社労士ならではのアドバイスでトラブルを未然に防げるようにします。
※香取社会保険労務士事務所における就業規則の作成・変更の対応エリアは、弘前市・黒石市・平川市・青森市・五所川原市・つがる市ほか津軽一円です。宜しくお願いします。
本日はここまでとします。次回に続きます。
またのご訪問お待ちしております。
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